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ユニ・チャームと志布志市が使用済み紙おむつ再資源化に向け、試験開始の協定締結

ユニ・チャーム株式会社HPの平成28年12月6日付ニュースリリースによりますと、
11月1日に、ユニ・チャーム株式会社と志布志市が協定を締結しました。
協定の内容は、使用済み紙おむつの収集とリサイクルに関するもので、使用済み紙おむつの再資源化を目指した実証試験です。
志布志市、そおリサイクルセンター(大崎町)、ユニ・チャーム株式会社で行なわれ、
使用済み紙おむつの収集の最適化やリサイクル技術の構築が主眼になります。
11月14日には、本田修一氏志布志市長がユニ・チャーム本社を訪問し、高原豪久社長と懇談しました。

大人用と子供用の紙おむつの生産量は、2015年で218億枚、重さ81万トンです。
将来、特に大人用紙おむつの増加が推測されますが、現在、使用後の紙おむつの処理方法は焼却です。
紙おむつのリサイクルが可能であれば、環境への効果が期待されますが、不安材料は排泄物に含まれる菌の問題でした。
平成27年、ユニ・チャーム株式会社は独自のオゾン処理方法を開発しました。
使用済み紙おむつから低質パルプを回収した後、オゾン処理を加え、高分子吸収ポリマー(SAP)を
酸化させて水と二酸化炭素にまで分解します。
その結果、バージンパルプと同等の衛生的で安全な上質パルプの再資源化が可能になりました。
高分子吸収ポリマー(SAP)は、リサイクルの工程で設備不具合の原因となるもので、除去が可能になったことや
衛生上の安全が確保されたため、紙おむつリサイクルへの道に曙光が差しました。

平成28年5月から、ユニ・チャーム株式会社は「使用済み紙オムツ再資源化推進協議会」と連携をとっています。
「使用済み紙オムツ再資源化推進協議会」は志布志市が主体となっている18の団体・個人から構成されています。
そおリサイクルセンターは大崎町の資源ごみリサイクルを受託している会社で、平成16年に創業しました。
再資源化の中核を担っており、分別収集並びに中間処理・保管業務を行っています。
持ち込まれた生ゴミとチップ(除草・伐採作業で生じた草木などを裁断機で粉砕したもの)から完全完熟堆肥を製造しています。
この堆肥を使用して菜の花を栽培し、菜種油も販売しています。

志布志市も大崎町もごみ分別に力を入れ、リサイクル率が非常に高い自治体です。
自治体HPによりますと、ごみ焼却施設がなく、埋立処分をしてきた志布志市では、埋立ごみの量を減らすために、
平成12年から本格的にごみの分別収集を行い、資源化に取り組み始めました。
平成16年度からは生ごみの分別収集・堆肥化を始め、現在は27品目を分別し、資源化に努めています。
草の根技術協力事業で、平成23年~25年はフィジーを中心とした大洋州、
平成25年度からはサモアを中心とした大洋州において志布志モデルの推進に取組んでいます。
大崎町も志布志市と同じく、27品目のごみ分別を実施しています。
環境省「一般廃棄物処理実態超過結果」において平成18年~26年、9年連続で資源リサイクル率全国1位です。

協定による実証試験は以下のように行われます。
志布志市市民に向け、使用済み紙おむつについて市民の協力を要請する主旨説明を行います。
11月からモデル収集を実施しており、今後もよりよい収集方法を検討をします。
ユニ・チャームが開発した技術を、そおリサイクルセンターへ供与し、具体的な実証試験を行います。
処理技術についても共同研究を開始します。
2020年の本格事業化を目指しますが、分別収集の仕組みとリサイクル技術に関する基本情報を蓄積した上で、
2017年3月までに、事業化に向けた可能性を判断します。
リサイクル品の活用や販売方法、販売先も検討します。