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歴史・文化

大刀の柄にエイの皮、古墳時代後期(6世紀前半)の品が出土

平成28年10月25日の讀賣新聞によりますと、
えびの市の島内(しまうち)139号地下式横穴墓から出土した鉄製太刀を分析した結果が発表されました。
島内(しまうち)139号地下式横穴墓は平成26年に発掘され、甲冑や弓矢、馬具などの副葬品は約400点にのぼっています。
古墳時代後期(6世紀前半)と考えられています。

大刀(たち)のひとつは、銀装円頭大刀で全長約85センチです。
柄(つか)は長さが約15センチで、鮫皮(エイの皮)が巻いてあります。
花形金具や銀線の飾りも残存しています。
エイの皮は細かい突起が美しく、装飾品として見事なものだったと推測されます。
柄頭(つかがしら)に施してある銀の装飾の技術や形態から朝鮮半島・百済のものと考えられています。
鮫皮(エイの皮)を用いた大刀といえば、奈良時代、聖武天皇の遺品とみなされている刀が有名です。
えびの市島内(しまうち)139号地下式横穴墓の副葬品は、それよりも約200年もさかのぼり、
鮫皮を用いた大刀としては国内最古の品と推測されます。

もう1点の刀剣は長さが1.42メートルあり、国内では一番長いものです。
鞘口に経錦(たてにしき)が巻いてあります。
ヤマトで制作され、大王(天皇)から被葬者に下賜された可能性も考えられます。
これらのことから、被葬者は軍事や交易などに力を発揮した権力者と思われます。

平成28年年10月26日南日本新聞によりますと、
えびの市内には地下式横穴墓が約2千ほどあると推定されています。
島内(しまうち)139号地下式横穴墓は、農作業や道路工事で破壊されたり、盗掘被害に遭うことがなかった
非常に珍しい遺跡です。
偶然に市の駐車場予定地になっていたことで、1500年前の副葬品が大量に発見されました。