島津荘「政所」の堀とみられる遺構を発見、都城市郡元西原(こおりもとにしばる)遺跡
平成28年9月10日の讀賣新聞によりますと、
宮崎県都城市教育委員会は9日、市道工事に伴う発掘調査により、郡元西原(こおりもとにしばる)遺跡から
大規模な溝の遺構が見つかったことを発表しました。
政所の堀と推定されています。
発見された溝は、幅3.5メートル、深さ1.5メートルです。
直角に曲がった形状で、北側と東側に50メートル以上延びています。
郡元西原(こおりもとにしばる)遺跡は、JR都城駅の北東約2キロに位置します。
出土した中国磁器から、溝は11~12世紀に造られたと推定されます。
したがって、今回発見された遺構は、初期島津荘の政所の可能性が高いと考えられます。
国立歴史民俗博物館の三上喜孝准教授(日本古代史)によりますと、この時期の荘園遺跡は
全国的に発見例が少ないとのことで、非常に貴重だとコメントがありました。
遺跡のある一帯はかつて「島津院」という地名だったことから、政所の所在地と推定されてきました。
政所とは、平安時代以後、親王や貴族の家政事務機関です。
おもに寄進地系荘園の事務を処理しました。