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甑島の自生ミカン、DNA研究へ

2016年(平成28年)5月11日の産経ニュース(ソロモンの頭巾)によりますと、
鹿児島大学農学部農業生産科学科、山本雅史教授(果樹園芸学)の研究室で、
甑島の自生ミカンのDNAを分析しています。

甑島は薩摩川内市に属し、薩摩半島西方30キロの東シナ海にあり、上甑・中甑・下甑の3島から成る甑列島を形成しています。
山本教授が調査しているのは、下甑島に産する4系統のヤマタテ、トウミカン、コウズミカン、シロミカンです。
これらのミカンは、現在はほとんど利用されていませんが、経済活動が活発でなかったことが幸いし、
ミカンの樹木が伐採されずに残っています。
きっかけは、墓参で50年ぶりに里帰りした人の思い出話でした。
島のミカンの系譜に興味を持った地区コミュニティ協議会会長が研究者を探したのが始まりです。
現在、元々その土地で育てられていた在来野菜が、伝統野菜として人気を取り戻しています。
在来果樹でも、シークワーサーの需要が高まっています。
遺伝資源としても、在来果樹の重要度は高いとのことです。

山本教授の研究室で予備的に分析したところ、
ヤマタテ、トウミカン、シロミカンの3系統が「甑島特有の在来ミカン」の可能性があるということです。
コウズミカンは、奄美大島のシマミカンなどと同種類の柑橘類と判断されました。
今後、研究室では果実の成分をはじめ、さらに詳しいDNA分析に取り組みます。
鹿児島大学HPによりますと、
山本教授は、与論島における柑橘類遺伝資源の分布調査および分類、奄美諸島における在来柑橘資源の調査とその保存、
沖永良部島における在来シークリブ遺伝資源の調査、喜界島の在来カンキツであるケラジミカンの来歴の検討、
与路島および中之島のカンキツの分類等の研究があります。