約3500年前、縄文時代後期の掘立柱建物跡の可能性 串良の牧山遺跡
平成27年11月25日、鹿児島県文化振興財団、埋蔵文化財調査センターは、鹿屋市串良町細山田に所在する牧山遺跡から
縄文時代後期の掘立柱建物跡である可能性のある柱穴群が環状に発見されたと発表しました。
牧山遺跡の調査は、東九州自動車道建設に伴い、今年度は平成27年5月11日から平成28年1月27日まで行われています。
牧山遺跡では、縄文時代後期の遺物が環状に集中して出土しています。
遺物の集まっている範囲の内側では、柱穴が環状に集まって発見されました。
したがって、地面に柱を立てて建物とした掘立柱建物の跡である可能性があります。
柱穴が集中している範囲からは、土器が完全な状態で出土(埋設土器)しています。
柱穴の集中範囲の内側から、祭祀に使用されたと考えられる石冠が1点出土しています。
石冠はこれまで、鹿児島県内では数例の出土例があります。
鹿児島県内では、縄文時代晩期の掘立柱建物跡は数例、確認されてきました。
しかし、それより前の、縄文時代後期以前の掘立柱建物跡はこれまで確認されていません。
柱穴や遺物が環状に集中することから、牧山遺跡は南九州では数例しか検出例がない環状集落であった可能性があります。