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地域・歴史・文化


「焼酎」の字が残されている、伊佐市の郡山八幡神社

鹿児島県伊佐市の郡山八幡神社には、「焼酎」という文字が残っています。
伊佐市のHPによりますと、16世紀ごろに書き残された「焼酎」という文字は、
現存しているものではおそらく一番古いものではないかということです。
紙ではなく、木片に書かれており、本殿北東の柱貫の先端から発見されました。
実は、正式な文書というよりは、神社を改築した宮大工の落書きなのです。

伊佐市大口大田1549にある郡山八幡神社の創建は、建久5年(1194年)といわれています。
現在の建物は、16世紀頃に建てられたもので、昭和24年に国の重要文化財に指定されました。
昭和29年の解体修理の際、本殿北東の柱貫の先端から、宮大工の落書きが発見されました。
書かれている内容は、施工主の寺僧がケチで、改築にあたっていた宮大工に一度も焼酎をご馳走してくれなかったという文面です。
これが、わが国における「焼酎」という文字の初見であるとされています。
永禄2年(1559年)当時、すでにこの地方では焼酎が飲まれていたことが裏付けられ、民俗資料としても重要な資料とされています。

鹿児島県の伊佐市は、鹿児島県北端の内陸部に位置します。
県庁所在地の鹿児島市から、北へ約75kmの場所にあります。
北側は熊本県、東側は宮崎県と接していて、川内川が市を縦断しています。
中心市街地は大口盆地の一部を成しており、標高は180m前後です。
気候は、九州型の太平洋側気候で、夏季は降水量が非常に多くなります。
冬場は内陸盆地のため、南九州のイメージとは違い、厳しい寒さを伴います。