阿久根のウルメイワシ加工品「旅する丸干し」が農林水産祭で天皇杯を獲得
6月~10月の旬の時期、なおかつ早朝4時~6時に漁獲された上質なウルメイワシのみのこだわり
平成26年11月23日の読売新聞によりますと、
今年度の農林水産祭の水産部門で、阿久根市の水産加工会社「下園薩男商店」が最高賞の天皇杯を受賞しました。
授賞したのは「旅する丸干し」で、「伝統食を活かした革新的製品の開発」と評されました。
これはウルメイワシの丸干しを、阿久根産ボンタン、オリーブとハーブ、ドライトマトとガーリック、カレーとミックスビーンズの
4種類の風味の菜種油でオイル漬けし、て瓶詰めした食品です。
農林水産省HPによりますと、
平成26年10月15日に、平成26年度(第53回)農林水産祭の天皇杯受賞者、内閣総理大臣賞受賞者、
日本農林漁業振興会会長賞受賞者等が決定されました。
農林水産祭は昭和37年から実施しているもので、農林水産省と公益財団法人 日本農林漁業振興会の共催です。
目的は、国民の農林水産業と食に対する認識を深めるとともに、農林水産業者の技術改善及び経営発展の意欲を高めるためです。
天皇杯、内閣総理大臣賞及び日本農林漁業振興会会長賞は、過去1年間(平成25年8月~平成26年7月)の
農林水産祭参加表彰行事(301件)において、農林水産大臣賞を受賞した500点の中から決定されます。
各賞は、農業部門、園芸部門、畜産部門、蚕糸・地域特産部門、林産部門、水産部門、むらづくり部門の7部門に授与されます。
平成26年度においては、輝く女性特別賞が授与されます。
これは、7部門の三賞受賞の中で、女性の活躍が著しい1点に与えられます。
表彰は、勤労感謝の日の11月23日(日曜日)11時40分から明治神宮会館で開催される農林水産祭式典において行われます。
同省HPには、天皇杯を受賞した「下園薩男商店」の「旅する丸干し」の授賞理由概要が記されています。
まず、阿久根市の地域概要が記してあります。
黒潮による温暖な気候を利用した水産業や農業が盛んな地域であること。
市の漁業生産はイワシ類が主体であり、これにアジ類、サバ類を
加えると、全水揚量の約9割、金額で7割を占めていること。
次に、「下園薩男商店」に関して記してあります。
株式会社下園薩男商店は、下園薩男が昭和14年に、ウルメイワシの丸干しを主とする水産加工販売業として創業したこと。
昭和46年に株式会社として設立されたこと。
伝統的な丸干し製品の大消費地への供給を背景に企業規模を拡大し、
現在、薩摩川内市内に湯田工場と船間島工場の2つの工場を有していること。
年間売上額約6億円、従業員84名の企業であること。
受賞者の特色が、4点挙げられています。
(1)マーケティングの視点からの商品開発
(2)こだわりの原材料
(3)衛生・品質管理の徹底
(4)地域を牽引するオピニオンリーダーとしての役割です。
ここでは、2について、詳しく記しておきます。
「旅する丸干し」の原料のウルメイワシは、6月~10月の旬の時期に漁獲されたものだけが使用されています。
また、旬の時期だけでなく、なおかつ4時~6時の早朝に漁獲された上質なものだけというこだわりもあります。
この時間帯には理由があり、4時~6時に漁獲されたウルメイワシは、2つの特徴があります。
1)胃内の残餌が無く苦味が少ない。
2)乾燥時の腹割れが少ない。
このような原材料のこだわりが、その他の特色とともに、受賞理由となりました。