観測ロケット「S520-29号機」の打ち上げ成功
平成26年8月18日の南日本新聞、19日の読売新聞、および宇宙航空研究開発機構(JAXA)のHP
プレスリリース(平成26年8月17日)によりますと、
平成26年8月17日(日)午後7時10分、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は
観測ロケット「S520-29号機」を肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ、実験は成功しました。
平成26年度の第一次観測ロケット実験はこれで終了となります。
観測ロケット「S520-29号機」は全長8・8メートル、直径52センチ、重さ2.3トンです。
発射上下角:80度
観測開始(ノーズコーン開頭)時刻:打上55秒後
小型姿勢制御装置による制御開始:打上61秒後
最高到達高度:243㎞(打ち上げ249秒後)
着水時刻:打上553秒後
光学カメラによるロケット追跡が、発射後80秒まで行われました。
天候は曇り、南東の風0.5m/秒、気温26℃でした。
今回の実験で、ロケット上昇時には高度97kmに、下降時には高度100kmにスポラディックE層が存在していたことを観測しました。
スポラディックE層とは、地上からの高度が70km~130kmのE層内に出現する、プラズマ密度構造が局所的に高密度になっている領域で、
航空・船舶無線をはじめとする無線通信に使うVHF帯電波が異常に伝わる原因となっています。
今回の実験は、スポラディックE層というこの領域を観測し、観測のデータから、
その空間構造やプラズマ密度変動の生成メカニズムを解明することが目的です。
従来、観測ロケットの打ち上げは移動式発射装置で行なわれてきました。
35年以上前に製造された装置です。
今回は、約3億円をかけて開発された新型の固定式発射装置を導入し、打ち上げが行なわれました。
旧来の装置は、ロケットを発射装置の上に載せていました。
新型の装置は発射装置の下部に吊り下げる方式で、準備作業を短縮できる利点があります。