鹿児島市公会堂は、中之島公会堂の兄弟
昭和2年に完成した鹿児島市公会堂は、大正13年の東宮殿下(後の昭和天皇)のご成婚を祝して建設されました。現在は、中央公民館として使用されています。
建設に際して、図書館を提案する県と公会堂を主張する市との間で紆余曲折がありました。
設計者は片岡安氏で、大阪公会堂の設計者として有名です。
平成25年5月1日の鹿児島市議会だよりによりますと、現在、中央公民館として知られている建物は、昭和2年に完成した鹿児島市公会堂です。
大正13年の東宮殿下(後の昭和天皇)のご成婚を祝して建設されたものでした。
実は、公会堂建設にいたるまで、紆余曲折がありました。
ご成婚を祝した記念事業として、鹿児島県は、市町村に図書館建設を提案しました。
それに対し、鹿児島市は、市内に県立図書館が既にあるとして、文化の殿堂としての公会堂建設を主張したのでした。
補助金交付に関し、県と市とは合意がとれませんでしたが、最終的に、県が補助金ではなく、市に旧県庁舎跡地(現在の中央公民館から中央公園付近)を譲渡することで決着しました。
公会堂設計者は片岡安氏で、明治から昭和にかけて活躍した建築家です。
明治9年に金沢に生まれ、明治30年東京帝国大学工科大学造家学科卒業、明治38年に辰野金吾と辰野片岡建築事務所を開設しました。
大正6年完成の大阪公会堂の設計に携わるとともに、大正11年には、関西工学専修学校(現大阪工業大学)初代校長に、大正12年には大阪信用組合(現 大阪信用金庫)組合長(〜1946)、昭和15年には大阪商工会議所会頭を務めています。