学校の道具が歩いている
毎学期、終業式が近づくと、道で面白い光景を目にする。
真新しいランドセル、体操着入れ、絵の具セット、画用紙や工作、1学期だと少しだけ成長した朝顔が顔をのぞかせている青いプラスチックの鉢。
それらが、ひとかたまりになって歩いている。
小学生の姿は、物に囲まれて見えないほどだ。
あぶなっかしい姿を、大人は見守る。
ランドセルが背中にちょこんと乗っている5,6年生になると、いくら道具が多くても、もう大丈夫だ。
大人は安心して見守る。
人生で、こんなに違いがある集団なんて、小学校しかない。