果物をたっぷりと
2016/04
果物屋というと、果物を売っている店と思われてしまいます。
それでは、柑橘屋というのはどうでしょう?
もちろん、今風に、柑橘カフェでもいいのですが。
さまざまな柑橘類を、あれこれおいしく食べさせてくれる店です。
例えば、「おまかせ」メニューを頼んでみます。
生で食べられるキンカンをまずは、おひとつ。
次に、みずみずしいデコポンが、3房出てきます。
目の前で皮をむいてくれるので、新鮮そのもの。
本当は、デコポンは1個まるごと食べてもいいのですが、他にも味見してみたいので、そのくらいにします。
赤ちゃんの頭くらいの大きさの晩白柚。
あるいは、ザボン。
こんな大きな柑橘類は、むいたからといって全部食べるわけにはいきません。
お店の人が手際よく供してくれるのは、何となく寿司屋のカウンターにいる気分です。
ザボンの皮の色は、少し緑がかった黄色で、何とも言えない優しい色です。
実の色は茜色。
皮と実の間は真っ白で、そのコントラストを眺めるのもいいものです。
白い部分が、有名な郷土菓子の原料になると聞くと不思議に感じます。
食べながら、果物を鑑賞し、名前を教えてもらうのも楽しさのひとつです。
他に、タンカンやポンカン。
これから出回る、ジューシーオレンジや日向夏なども楽しみます。
だんだんおなかがふくれてきました。
飲み物を取らなくても、ビタミンCたっぷりのジュースを飲んでいるのと同じです。
食後にちょっと、あるいは、たっぷり、またはあれとこれをと好きな柑橘類を堪能できたら、きっと楽しいに違いありません。
柑橘類だけではありませんが、くだものが、それだけでもっと味わえたらと考えました。
何より、柑橘類をきれいにむいてもらったり、あれこれ少しずつ楽しんだりというのは自宅ではできない贅沢ですから。