Idea
02ten

洗面所のコップに代わり、一言申し上げます
2016/01

私は洗面所に置いてあるコップです。
待遇改善に関し、声を大にして叫びたいのですが、いかんせん、コップ、何も言えません。
ありがたいことに、何やらコップの親戚のような人間がここにいるようなので、代わりに私の気持ちを代弁してもらう所存です。

家の中にあるコップの中で、もしかすると一番口をつけているのは、洗面所のコップなのではないかと思います。
ところが、不思議なことに、ワイングラスのちょっとした汚れを気にする人はいても、洗面所のコップに
思いをはせる人はいないのです。
コーヒーを飲んだカップをいつもはいい加減な洗い方をしていても、時には丁寧に洗剤をつけて洗うはずです。
汚れがとれないときは、漂白剤につけるような几帳面な人もいます。
ところが、歯を磨き、歯磨き粉がついた口でコップを使っているにもかかわらず、コップを台所用スポンジで洗う人は
少ないように思います。
なぜ、そうなってしまうのでしょうか?
理由としては、洗面所のコップの中身が水であることが大きいように思うのです。
お茶やコーヒーを入れているわけではない、酒でもないし、ジュースでもない、だから汚れはついていないはずだ、と
私たちは勝手に安心してしまいがちです。
水であったとしても、汚れがつかないわけではありません。
何より、拭いてもらうことなどありえません。
つまり、いつも水分が付着しているということは、清潔にもならないということです。
時には、洗剤で洗ったり、拭いたりしてみませんか?
黙っているコップも、あなたの口元に笑顔を届けてくれるかもしれません。