全国各地に掃除仲間がいるとしたら
2015/08
汚れる前に掃除をする。
これが掃除の鉄則と聞いたことがあります。
しかし、こまめに掃除をするといっても、よほどの掃除好きでないかぎり、ついつい何年もやっていないということもあるはずです。
何十年も前、日本には「春の大掃除」というものがありました。
半ば強制であったのでしょうが、畳を上げ、下に敷いてある新聞を取り上げ、床を掃除し、と、まさに大掃除をしていたのです。
過去を復活させようとは思いません。
しかし、不要なものを処分し、床や壁まできれいにしておくのは、アレルギー対策にもなるかもしれません。
慌ただしい年末、その上、寒い時に大掃除をするのは、義務感でしかなく、やる気もおきません。
窓を開けていても寒くなく、冷たい水も気にならない別の季節なら、楽しい一大イベントに変身する可能性もあります。
それでも、まだハードルがあります。
何から手をつけたらいいのかわからない、あるいはどこまでやれば達成感があるのかわからない。
なにより、一日を掃除に使ってなにかいいことでもあるのか、と言い訳はいくらもでてきます。
最大の問題点は、仲間がいないということです。
たとえ、ひとりで掃除したのではなく、夫婦や家族で掃除したところで同じようなものです。
お祭りの楽しみ、野球観戦の楽しみ、ライブの楽しみといったものはありません。
そこで、大掃除に対し、まったく新しい取り組みを考えてみました。
花火大会のように、「今日は大掃除の日」という決まった日があります。
その日に、自分の家を掃除するのです。
全国各地に、同じ時間に掃除にはげんでいる仲間がいます。
達成感もあるし、やった本人だからこその感想も言い合えるのです。
まずは、「今日は大掃除の日」大会サイトに登録するだけです。
「今日は大掃除の日」の優れた点は、事前に掃除に関するさまざまなことを教えてくれることです。
掃除に関して、大半の人が訓練されていない現実を、このサイトはわかってくれています。
「こんなことも知らないの?」ではなく、「こうやるとうまくいきます」とわかりやすく教えてくれます。
自分の家では、どのような掃除をすればいいのか、どのくらいの時間がかかるのかが、事前にわかります。
自分の家の間取りや、汚れ具合をスマホから送ると、効果的な掃除方法や手順などを教えてくれます。
業者がくるわけではないので、住所など個人情報は載せる必要もありません。
さすが、プロのやり方は参考になります。
掃除が終わると、台所や浴室もきれいになるだけでなく、仲間と達成感を分かち合えるから、心まで爽快になります。
皆で、「大変だったね」「でも、きれいになった」「我が家の写真です」などと感想も言い合えます。
「今日は大掃除の日」は、清掃用品関連企業も協賛しています。
自社の製品をアピールするのには、最適です。
掃除をする側としては、モニターとして無料使用ができるので助かります。
企業からは、同じ日に一斉に多くの人が使ってくれるので、アンケートの回収も効果的です。
浴室の清掃にしても、思わぬヒントが出てくることもあります。
家の中の、こんな場所を住人が気にしているとは、という驚きもありました。
「今日は大掃除の日」が掃除用品の新製品発売の日と重なることも増えました。
鶏が先か、卵が先か、わからなくなってもいいはずです。
どちらにしても、いやいやながら掃除をするよりは、日本全国、仲間たちと楽しくきれいになることが一番なのですから。