Idea
02ten

日報
2014/9

昆虫採集、植物採集、切手コレクション等、世の中には集めただけではその価値が発揮できないものがたくさんあります。
収集したものを、分類し、整理してようやく評価を受ける段階になるものです。
コレクションでなくても、私たちが生きて生活するとき、このような作業は実は大切なのだと思います。
突然ですが、そこで、「日報」の提案です。

私は本が好きで、多くの本を読んできたはずですが、自分が読んできた本の題名を書き留めてみたことがありません。
どんな本を読んできたかと問われれば、答えることができないのが現状です。
自分の読書遍歴など、どうでもいいではないかと思っていましたが、ある時、思い知らされたことがありました。
子供向けの朗読会を開いている人から、いい本を紹介してほしいと依頼された時です。
あの本、この絵本と頭に浮かんでも、正確な題名が出てきません。
図書館に行けば解決するかと思いましたが、時間がかかるだけで、大した成果はありませんでした。
ようやく数冊の本を推薦した後で、あれもあった、これもあったと思い出し、悔しい思いをしたものでした。

プロの仕事では、必ず文書を作成します。
病院での仕事を例にあげるとわかりやすく思います。
カルテがあり、それぞれの患者さんの症状がそこには書いてあり、原則的には、医療関係者ならだれでもその情報を共有できます。
入院患者の場合、看護師は必ず毎日、引継ぎを行ないます。
そこには、必ず文書が介在します。

現在、高齢者の生活になんらかの関わりを持っている娘や息子、あるいはその配偶者の数は多いはずです。
プロの仕事でなくても、あるいは介護とまでいかない手助けであっても、その手助けを形にすることが大切ではないかと思うのです。
互いに情報を共有できるようなやり方を考えてみました。
正確にいうと、高齢者に関わっている人がやってきたことを収集し、整理する文書です。
手帳にちょっとメモしておいたとしても、関わらなかった人にはなかなか理解してもらえません。
「こんなにやったのに」と不満を述べても、自分が辛くなるばかりです。
自分がやってきたことを相手にどうやって理解してもらうか、それは自分自身を守る方法にもつながります。

「日報」という言葉があります。
営業だけでなく、様々な仕事で使われます。
簡単に言えば、「日報」とは、その日に自分が何をやったかを自分以外の人と共有する報告書です。
今回、提案する私なりの「日報」もまた、高齢者やその生活に関して、自分が何をやったかを簡単にまとめるための一枚の紙です。
チェックし、簡単にメモさえすれば、その日に何をしたか、何が起きたかが、後になってもわかります。
記憶に頼ると、第三者からは中々認めてもらえませんが、天候などもメモされている日報なら、信頼できる事実につながります。
現在なら、スマホやパソコンに残すほうがいいように思えるかもしれません。
しかし、紙の良いところは、手書きの文字から、日々の積み重ねが事実として残ります。
また、手助けの日々が長いということは、その紙の束の厚さによって示されます。
なにより、関わったこと、あるいは気づいたことを区分し整理することで、大切な情報がでてくるはずです。
高齢者の体調がどのように変化したのか、あるいは何もかも自分でできていた元気な高齢者が誰かに頼らざるをえなくなっていく過程等も
このような日報から見えてきます。

簡単な形式の日報を考えました。
興味のある方は、どうぞご自由にご使用ください。
改造されて、原本よりももっと良いものがたくさん出てくることを楽しみにしています。

日  報

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平成  

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他の項目

 

 

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