ブック・カフェ
2001/3
家にたまってしまった本、これは少々やっかいです。
買って読み終わったらすぐに処分する、あるいは定期的にブックオフ等の古本屋に売りに行く、という行動ができる人なら、本が家にたまることはありません。
売ることも、まだ決断できず、かといって、どんどん増えていく本をやっかいものに思うことすら良心がとがめている、あなたはそうではありませんか?
優柔不断、または怠け者と家族に指摘されれば、たしかにそうかもしれませんが。
家にたまった本は捨てるか、あげるか、売る、これしか解決方法はないのかなあと、いつも考えていました。
そこで考えたのがブックカフェです。
ブックカフェというと、現在ところどころにある、本を自由に読めるカフェを想像するかもしれません。
似ているのですが、カフェにある本の出所がすこしばかりちがいます。
どちらかというと、「私の本屋」です。
「私の本棚」と言えば、もっと正確です。
カフェの本棚は、実はあなた自身の本棚なのです。
本をたくさん持っていて、処分はしたくないし、でも、家には置き場所がない人のための、公開本棚です。
そういった本棚が集まって発生したのが、私の言う「ブックカフェ」です。
レンタル倉庫に、本を収納することは可能です。
しかし、倉庫に入れたら、本は誰の目にもとまりません。
人がいるところ、本好きの人の眼差しが存在する場所。
そんな空気の中に本を置くことができたら、持ち主も喜ぶはずです。
カフェの本棚を、倉庫のレンタル代金の代わりとして借りるのです。
お店に、自分の本が並び、時々、自分もカフェに行って、自分の本を読んだりします。
自分の本なのに、よそ行きの顔をしているのを見ると、ちょっと不思議な気分になるかもしれません。
「この本棚の本は売ります」「この本棚の本は閲覧だけです」と、さまざまなタイプの本棚があると楽しいかもしれません。
社会科学系、詩、歴史小説、SF、文学、自然史等、いろんな種類の本棚が出てくるような気がします。
古い雑誌の本棚も、貴重な存在になりそうです。
インターネットで、さまざまな人の力を集めることができるように、それぞれの人が持っている本が集まると、大きな力になりそうな気がします。