危険物運搬代行人
2002/7
大げさな題をつけてしまいました。
なに、大したことではありません。
切れない包丁を使っている人が大多数ではないかと言いたいのです。
切れ味の良い包丁を使う醍醐味、これをお伝えしたいなと思うのです。
毎日の生活、腹立たしいことは多いですが、こういう悦びは簡単に作れます。
さて、あなたの包丁を切れるようにするには、どうしたらいいのでしょう?
新しい包丁を買う必要はありません。
包丁を研げばいいのです。
昔ながらの方法です。
それなのに、なぜ、包丁を研いでいないのでしょうか?
包丁を研ぐ人とみなさんとの距離が遠いからだと思うのです。
以前は、職人さんが家を回り、包丁を集め、軒先を借りて仕事をしたものでした。
現在、そのような職人さんを探すのは難しいように思います。
デパートや包丁専門店なら、包丁を持って行けば研いでくれます。
ただし、私たちが包丁を運ばなくてはなりません。
それが実は億劫なのです。
ここが大きな問題だと、私は思っています。
デパートに包丁コーナーがあったとしても、バッグのなかに包丁を入れて電車に乗りたくありません。
運良く、家の近くに包丁研ぎの店があったとしても、その億劫さは変わらないように思います。
やっぱり、包丁というのは持ち歩きたくないものです。
だれも口にしないけれど、包丁は、「お抱え運転手のいる社長さん」
のような待遇が、一番いいように思います。
つまり、「誰かが運んで、また家まで持ってきてくれる」ということです。
家の玄関で包丁を渡し、又持って来てくれる。
職人さんが家の近くで研いでいたのが以前のやり方で、それが無理なら、
職人さんと私たちの間を、取り持ってくれる人がいてくれれば、昔ながらの快適さが戻ってくるような気がします。
たったそれだけのサービスで、切れ味の良い包丁を持つ楽しさが味わえます。
包丁を研ぐという技術もいらないのですから。
トマトでも肉でも、切れる包丁だと、ほんとに気持ちがいいものです。