火山噴出物のシラスを日本工業規格(JIS)に適合する成分に分離成功
平成29年7月7日の日本経済新聞によりますと、
鹿児島県工業技術センター(鹿児島県霧島市)が研究成果を発表しました。
ベンチャー企業、プリンシプル(鹿児島市)との共同研究では、火山噴出物のシラスを
火山ガラス、砂、軽石、粘土質分に分離を成功させました。
「エアテーブル」という装置を用い、気流と振動を利用し、比重分離を可能にしました。
鹿児島県とプリンシプルはこの技術および装置を特許出願しています。
今回の研究でシラスから分離した砂や軽石は、日本工業規格(JIS)に適合しています。
これまでも、シラスは緑化基盤や舗道ブロックなどに活用されてきましたが、
比重や粒度が異なる成分が混じりあっているため、工業資源としては使用しづらい点がありました。
今回の研究により、土木や建築でより活用しやすくなると期待されています。
鹿児島県工業技術センター(鹿児島県霧島市)、プリンシプル(鹿児島市)、東京大学の三者研究では、
火山ガラスの有効利用機能を発見しました。
火山ガラスを細かく砕いてコンクリートに混ぜると、コンクリートの強度が高まり、混和材の機能があることが分かりました。
混和材は高層ビルの建設に欠かせない材料で、現在は混和材としてのシリカフュームを輸入している状態です。
混和材のシリカフュームの代わりになり得る資源が日本に存在することは、大きな期待になります
高品質で大量の火山ガラス微粉末を生産可能にする設備が、今後の課題となります。
シラスは鹿児島県を含む南九州一円に分布し、埋蔵量は750億立方メートルともいわれています。
建設材料として長期に使用できる資源とも考えられます。