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桜島自体が博物館、NPO法人桜島ミュージアムの取り組み

Region(渕上印刷株式会社フリーペーパー 43号)ならびにNPO法人桜島ミュージアムHPによりますと、
NPO法人桜島ミュージアムは、2005年(平成17年)3月に設立されました。
名前のとおり、桜島自体を博物館とみなし、桜島の資料を収集し、あるいは調査研究します。
また、桜島をはじめとする火山への教育普及に関する事業を行い、
子どもだけでなく、地域の人々、観光客への環境学習、生涯学習を目指しています。
HPはhttp://www.sakurajima.gr.jp/です。

代表を務める桜島ミュージアム理事長の福島大輔さんは、火山地質学が専門です。
鹿児島大学の理学部地学科に入学し、地学の魅力にひきこまれました。
卒業研究では、姶良カルデラの大噴火で発生した入戸(いと)火砕流の前段階の現象を取り上げました。
博士課程修了後、専門知識をどのように活用するかと考えた際に出会ったのが、エコミュージアムでした。
エコミュージアムとは、地域の自然や文化を博物館に見立て、地域づくりや観光に取り組む活動です。
そこで、2002年(平成14年)8月に、前段階として「桜島友の会」を結成しました。
具体的には、月に1回のイベントを行い、火山の魅力を伝える活動を始めました。
地域を知ることは、防災にもつながります。
そのため、京都大学防災研究所の任期付研究員に応募し、桜島での防災教室や砂防施設ツアー、講演会などを企画・実施しました。

2005年(平成17年)3月にNPO法人桜島ミュージアムを設立後は、桜島の火山、防災に関する資料の収集・調査研究・教育普及とともに
地域貢献事業も行っています。
科学的根拠に基づき、正確な情報をわかりやすく発信する火山インタープリターの必要性を、福島さんは感じています。
2015年(平成27年)8月15日、桜島に変化があり、噴火警戒レベルが3(入山規制)から4(避難準備)に変わりました。
鹿児島市・桜島の一部地域には避難勧告が出ました。
その際、福島さんは桜島の状況を正確に伝える情報発信が不可欠と考え、ブログ等で客観的で役に立つ情報を発信しました。
安全だけを強調するのは逆効果であり、観光客寄りでもセンセーショナルな報道寄りでもないことを重視しました。
桜島のレベル3の時期がどれだけあるかを示すグラフや、今回上昇したマグマ量と過去の噴火のマグマ量の比較の表も作成しました。
「レベル4では普段の観光はおすすめできないが桜島の状況を正しく理解したうえで来ることは可能」という発信もありました。
桜島ミュージアムの体験プログラムは、現在25あります。
「桜島ナイトツアー」や「火山博士と行く桜島ツアー」など、軽めのものから本格的なものまで多岐にわたっています。
アイスランドやハワイでも火山観光はありますが、桜島のように噴煙を間近に観察できることは非常に珍しい場所です。
桜島ミュージアムでは、市街地から近距離という利便性もある桜島を安全に観光するための仕組みづくりにも力を入れています。