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Compile

鹿児島の枝物生産

枝物とは、一般的には華道の素材で、松・梅・桜など枝を持つ類の総称を言います。
ここでは、神仏に供える緑の葉のついた枝のことを指します。
神前に供える榊(サカキ)、仏前に供えるコウヤマキ、ヒサカキ(ビシャコ)、シキミ(香の花)等です。
枝物は、特用林産物に含まれます。
特用林産物とは、一般の木材以外の森林産物の総称です。
具体的には、きのこ類、くり・くるみ等の樹実類、うるし・はぜの実から搾取される木ろう等の樹脂類、
わらび・わさび等の山菜類、おうれん・きはだ等の薬用植物及び桐、たけのこ、竹、木炭、薪等多岐にわたります。
枝物は、特用樹類に属し、桐材、こうぞ・みつまた、けやき、山桜(葉,樹皮)、花木等と同じグループです。

和歌山県のHPによりますと、
サカキはツバキ科の常緑小高木で、古くから神事に用いられます。
サカキが用いられるのは中部以西で、関東以北はヒサカキが用いられます。
中国からの輸入も多くなっています。
ヒサカキ(ビシャコ)もツバキ科の常緑小高木で、本州暖温帯に広く分布します。
コウヤマキは、従来、真言宗を信仰する家庭で仏前の切花として使われました。
福島県から南に生息する針葉樹です。
近年、長持ちする特性が好まれ、西日本を中心に需要が増えています。
秋篠宮悠仁親王のお印でもあります。

平成24年(2012)の「市報しぶし」によりますと、
従来、枝物(特用林産物)の主産地は、和歌山県でした。
和歌山県の枝物は山林植えで、生産者の高齢化が進み、山林植えが作業を困難にしている現状があります。
また、後継者不足もあり、枝物の生産量は従来よりは減少の傾向があります。
一方、枝物市場では品薄のため、輸入物も出回っています。

鹿児島県HPによりますと、鹿児島県では、「鹿児島県特用林産振興基本計画」
(現行計画期間:平成20~29年の10か年)を定めています。
花木(枝物)に関しては、大隅地域を中心に、しきみ、さかき、ひさかき等の樹林造成や、
広域的な集出荷体制等の整備を進め、産地化を図っています。

志布志花木生産組合は平成13年に結成されました。
当時の特用林産物の生産面積は、サカキ25ヘクタール、シキミ2.7ヘクタール、ヒサカキ1.52ヘクタールです。
平成19年度の面積再調査の結果で、サカキは15ヘクタール減少していることがわかりました。
サカキは山林に植樹されているため、自然災害(獣害、台風など)の影響を受けているためです。
一方、シキミやヒサカキは畑での栽培が可能です。
平成19年度以降は、自然災害などに強いシキミを傾斜のない畑に新植するように推進しています。
日当たりの良さが良好な生育条件になります。
志布志市では、良好な生産条件と管理作業の軽減などにより、着実に生産面積が拡大してきています。
志布志以外に、大隅半島では輝北町枝物生産組合、大崎枝物生産組合、かのや枝物生産組合があります。
大隅半島が、枝物の主たる栽培地です。
薩摩半島では、南薩枝物生産組合があります。

平成26年5月26日の南日本新聞によりますと、
南九州市川辺町の枝物農家、末永廣さんが紹介されています。
和歌山で枝物関連の仕事に携わった末永さんは、指導のために鹿児島を訪れました。
それが契機となり、鹿児島での枝物栽培の仕事に関わりました。
和歌山をはじめとする関西の枝物は、山に自生する天然物が主体です。
一方、鹿児島は畑作が主です。
畑作は管理が容易であり、それが枝物の品質の高さにつながります。
また、温暖な気候により、収量も関西の倍になります。
末永さんによりますと、枝物にこれほど適した場所はないということです。
平成24年からは県主催の枝物養成講座の講師も務めています。
2014年には、次男の明人さんら南九州市、南さつま市の若手生産者8人と共に南薩枝物生産組合を立ち上げました。






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