平成27年産水稲の8月15日現在における作柄概況
九州農政局のホームページの農林水産統計によりますと、
平成27年8月28日に、九州農政局鹿児島地域センターは、平成27年産水稲の8月15日現在における作柄概況を公表しました。
早期栽培は、生育期が日照不足や低温で経過した影響で、穂数やもみ数が少なく、登熟も不良です。
10a当たり予想収量は396㎏で、前年産に比べて59㎏の減少が見込まれます。
普通栽培の生育は、日照不足の影響で茎数が少なく、「やや不良」で推移しています。
作柄概況とは、作物統計調査の水稲調査の中の作柄概況調査として実施しているものです。
水稲の生育・作柄状況を明らかにすることにより、生産対策、需給調整、技術指導等の農政推進のための資料とすることを目的として
います。
作柄を予測したものではなく、今後の気象条件により作柄は変動することがあります。
調査対象数は作況標本筆：２００筆、作況基準筆：２８筆、巡回･見積もり：４３市町村です。
調査事項は種期の遅速、田植期の遅速、活着の良否、草丈の長短、茎数の多少、穂数の多少、もみ数の多
少等の生育状況、登熟状況、被害状況及び耕種状況です。
調査期日は８月15日現在で、水稲の生育・作柄概況を調査しました。
早期栽培の水稲の作柄について、詳細と説明は以下の通りです。
早期栽培の作柄に関しては、日照不足や低温の影響を受けています。
穂数：平年に比べて少ない
「穂数」は、１㎡当たりに出穂したすべての穂の数です。
平年と比較して、多いか少ないかを表しており、5段階評価「多い、やや多い、平年並み、やや少ない、少ない」で表します。
１穂当たりもみ数：平年並み
「１穂当たりもみ数」は、１穂についているすべてのもみの平均数です。
平年と比較して多いか少ないかは、5段階評価「多い、やや多い、平年並み、やや少ない、少ない」で表します。
全もみ数：少ない
「全もみ数」とは、１㎡当たりのすべてのもみ数です。
平年と比較して多いか少ないかは、5段階評価「多い、やや多い、平年並み、やや少ない、少ない」で表します。
登熟：粒の充実が平年に比べて悪く、不良
「登熟」とは、開花、受精から成熟期までのもみの肥大、充実を表わします。
平年と比較して良いか悪いかは、5段階評価「良、やや良、平年並み、やや不良、不良」で表します。
水稲の生育期に日照が不足したことや、低温で経過したことから気象被害の影響が大きいです。
降雨日が続いた影響で適期防除できなかったほ場では、病虫害の発生もやや多くなっています。
以上の調査から、８月15日現在の10a当たり予想収量は396kgで、前年産に比べて59㎏の減少が見込まれます。
農家等が使用しているふるい目幅ベース（1.80mm）の10a当たり予想収量は384kgが見込まれます。
作況指数は88です。
「作況指数」とは、10ａ当たり平年収量に対する10a 当たり予想収量の比率です。
10a当たり予想収量と、農家等が使用しているふるい目幅ベースの10a当たり予想収量の2種類算出されているのは、以下の経緯があります。
平成26年産以前は1.70mm のふるい目幅で選別された玄米を基に算出していました。
平成27年産からは、それぞれの農業地域において多くの農家等が使用しているふるい目幅が使用されることとなりました。
北海道、東北及び北陸は1.85mmのふるい目幅、
関東･東山、東海、近畿、中国及び九州は1.80mmのふるい目幅、
四国及び沖縄は1.75mmのふるい目幅です。
鹿児島は1.80mmのふるい目幅ベースで算出されます。
普通栽培の水稲の生育状況について、詳細は以下の通りです。
普通栽培の水稲の田植最盛期は、平年並みの6月21日でした。
水稲の生育は抑制され、草丈はやや短く、茎数は平年に比べて少なくなっています。
田植え後から7月下旬まで低温、日照不足で経過した影響があります。
幼穂形成期頃の7月下旬からは、生育は回復傾向にあります。
高温多照の天候が続いた影響です。
田植え後から7月下旬まで続いた日照不足の影響は大きいですが、病虫害の発生は平年並みの状況です。
以上の調査から、８月15日現在の普通栽培の水稲の生育は「やや不良」で推移しています。
水稲調査結果は、主に以下の資料等に利用あるいは活用されています。
・主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律（平成6年法律第113号）に基づき
毎年定めることとされている米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針及び米穀の需給見通しのための資料
・食料・農業・農村基本計画における生産努力目標の策定及び達成状況検証のための資料
・米・畑作物の収入減少影響緩和対策（ナラシ対策）の交付金算定のための資料
・農業災害補償法（昭和22年法律第185号）に基づく農作物共済事業における共済基準収穫量算定のための資料