鹿児島大学の国際島嶼教育研究センターで奄美分室設置
鹿児島大学HPによりますと、鹿児島大学は平成27年4月1日に奄美市に国際島嶼教育研究センター奄美分室を設置しました。
鹿児島大学は、平成19年に「鹿児島大学憲章」を制定し、「研究者の連携」や「地域の要請に応える研究」を研究活動の方針として掲げています。
平成22年度には、島嶼、環境、食と健康の3研究プロジェクトを立ち上げ、平成25年度には、水、エネルギーの2研究プロジェクトも加えました。
これら5つのプロジェクトは、学部を超え、学際的共同研究を推進しています。
大学の地域貢献であるとともに、研究者の知的な好奇心を喚起し、鹿児島大学の独自の研究に発展することを目指しています。
国際島嶼教育研究センターは、鹿児島県からアジア・太平洋までを含む島嶼域を対象とした教育・研究を推進しています。
英文学術誌『South Pacific Studies』を発行し、研究会やシンポジウム、公開市民講座を開き、研究成果を地域に還元しています。
平成26年度は大隅諸島やミクロネシア、メラネシアにおいて総合学術調査をおこないました。
学術報告会を1回、研究会を11回、国際シンポジウムを1回、シンポジウムを2回開催しました。
鹿児島の島嶼地域における研究成果については、『島嶼研ブックレット』が発刊されました。
平成26年度には、『The Islands of Kagoshima2ed』を出版、平成27年度には『The Amami Islands』が出版予定です。
「島における教育」も積極的に実施しており、共通教育科目「島のしくみ」を与論島で、
大学院全学横断型教育プログラム・島嶼学教育コースの「島嶼学概論I」を三島村硫黄島で、
「島嶼学概論II」は十島村中之島、「太平洋島嶼学特論」ではミクロネシア連邦・グアムにおいて一部講義をおこなっています。
平成27年7月22日の日本経済新聞によりますと、
国際島嶼教育研究センター奄美分室は、奄美市水道課が入った庁舎の2階に設置されています。
4人の専任教員が交代で常駐し、多様性がある生物や文化、食と健康などの教育・研究が始まっています。
若手研究者も、アマミノクロウサギやイソギンチャクなどのフィールドワークに取り組んでいます。
7月の常駐担当者は大塚靖准教。
蚊など吸血昆虫の研究で、現地ではブヨの幼虫やサナギの採集などに力を入れています。
8月から来年4月までは、高宮広土教授が滞在する予定です。
文献記録が残っていない時代の人類を対象とする先史人類学が専門です。
鹿児島大の郡元キャンパス(鹿児島市)では、国際島嶼教育研究センターの研究会が毎月開催されており、
奄美分室からも中継で参加できます。
地域活性化を念頭に、地元の学生や企業との交流も生まれ始めています。