平成27年3月16日、甑島が国定公園に決定「太古の地球を感じる宝の島」
環境省HP平成27年2月16日のお知らせによりますと、
平成27年1月20日付けで中央環境審議会より答申を受けた甑島国定公園の指定は、
平成27年3月16日に、官報に甑島国定公園の指定及び公園計画の決定として告示されることとなりました。
従って、平成27年3月16日に「甑島(こしきしま)国定公園」が新たに指定されました。
なお、3月16日時点では、国定公園は57か所でしたが、南三陸金華山国定公園は三陸復興国立公園に編入されることにより、
3月31日に指定が解除されました。
その結果、平成27年3月31日時点の国定公園数は、56か所となりました。
甑島は、鹿児島県の薩摩半島の西方約30qの東シナ海上に位置しています。
上甑島・中甑島・下甑島その属島群で構成される地域です。
豪壮な海食崖地形や特異な砂州と潟湖群、リアス海岸等、さまざまな海岸景観を有しています。
また、海岸部から最高で標高600mの稜線部まで照葉樹林が発達しています。
昭和56年10月に甑島の一部は、甑島県立自然公園に指定されました。
現在、甑島の自然環境は高く評価されています。
甑島周辺沿岸が日本の重要湿地500に選定されています。
また、上甑島の海鼠池及び貝池がラムサール条約湿地潜在候補地に選定されています。
日本の地質百選に鹿島断崖に散見する「甑島の白亜紀-古第三紀層」が選定されています。
日本の地質構造100選に「甑島の鹿の子断層」が選定されています。
今回の国定公園決定により、既に甑島県立自然公園に指定されている地域の一部は本国定公園の区域に編入され、
県立自然公園の指定は解除されます。
平成27年1月20日の環境省HPによりますと、
同日に開催された第26回中央環境審議会自然環境部会において、
「甑島国定公園の新規指定について」が審議され、諮問のとおりとして差し支えない旨、答申されました。
諮問事項の添付資料によりますと、
公園面積は陸域が5,447ヘクタール、海域が25,287.7ヘクタールです。
甑島の風景形式は、以下のように定義されています。
・甑島列島形成の過程を物語る多様な海岸景観
・イシサンゴ類を主体とするサンゴ群集の海域景観
・南方系、北方系及び満鮮系の多様な植物相が見られる照葉樹林
また、主な景観要素は
海食崖、海食洞、岩礁、砂州と潟湖、リアス海岸、多種多様な化石、海岸植生、多島海、
照葉樹林、湿地生態系、サンゴ群集
となっています。
甑島国定公園の特徴を簡潔に表したテーマは「太古の地球を感じる宝の島」です。
公園区域とされたのは
・優れた海岸景観を構成する陸域
・海岸景観と一帯をなす森林地域
・希少種の生息が確認されているなど植物の生育地として重要な地域
・海岸景観と一体的に海岸景観を維持するための海域です。
国定公園として保護を図る地域は
・特に自然性が高く優れた景観を有する海岸
・希少な野生生物の生息・生育地となっている自然性の高い地域
で、これらを中心に保護を図ります。
また、海域に関しては、
海岸の汀線から1qの範囲を海域公園地区とします。
海岸景観と一体的な海域景観とサンゴ群集が見られる海中景観の保護を図ります
利用施設の計画は以下の通りです。
目的は、利用者が甑島国定公園の海食崖や多様な海岸景観、豊かな自然環境を探勝できるためのものです。
(1)単独施設
園地:19箇所(上甑島6箇所・中甑島2箇所・下甑島11箇所)
野営場:3箇所(上甑島1箇所・下甑島2箇所)
(2)道路
車道:5路線(公園予定区域内の既存の道路、藺牟田瀬戸架橋を含む)
歩道:2路線(公園予定区域内の既存の登山道及び遊歩道)