2014年(平成26年)鹿児島県の気象(後半)
鹿児島地方気象台HPでは、観測・統計データを公表しています。
その中に、鹿児島県気象月報というものがあります。
これは、県内の月間の全般的な気象概況と県内気象官署、地域気象観測所などの気象観測成果を取りまとめたものです。
平均気温、降水量、日照時間だけでなく、生物季節観測もあります。
ちなみに、月報で掲載している観測値等は作成時点の速報値となっており、後日修正されることもあります。
県内の気象官署は、鹿児島地方気象台、名瀬測候所、阿久根特別地域気象観測所、枕崎特別地域気象観測所、
種子島特別地域気象観測所、屋久島特別地域気象観測所、沖永良部特別地域気象観測所です。
地域気象観測所は阿久根・出水・大口・紫尾山・さつま柏原・中甑・川内・溝部・八重山・東市来・牧之原・
鹿児島・輝北・大隅・加世田・吉ケ別府・志布志・喜入・鹿屋・肝付前田・枕崎・指宿・内之浦・田代・佐多・
種子島・中種子・上中・屋久島・尾之間・中之島・笠利・名瀬・喜界島・古仁屋・天城・伊仙・沖永良部・与論島です。
なお、気象庁は7月30日から宝島地域気象観測所(十島村宝島)を新設して、観測を開始しました。
2014年(平成26年)の気象月報から、各月の気象概況(6月~11月)を抜粋してみました。
12月分は鹿児島地方気象台HPに掲載され次第、追加します。
7月の気象概況
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、期間の前半は、梅雨前線や台風第8号の影響を受けて曇りや雨の日が多かった。
台風第8号は10日午前7時前に阿久根市付近に上陸し、9日~10日は大荒れの天気となった。
期間の後半は、太平洋高気圧に覆われて、概ね晴れの天気となったが、
上空の寒気や強い日射の影響で大気の状態が不安定となり、雷雨となった日があった。
期間の終り頃は、台風第12号や湿った気流の影響を受けて曇りや雨となり、30日~31日は大雨となった所があった。
なお、九州南部は、7月16日頃(平年より2日遅く、昨年より8日遅い)梅雨明けしたと見られる。
奄美地方では、上旬は、梅雨前線や台風第8号の影響を受けて曇りや雨の日が多く、
8日~9日は台風第8号の影響を受けて大荒れの天気となった。
中旬以降は、太平洋高気圧に覆われて、概ね晴れの天気となったが、
期間の終り頃は、台風第12号や湿った気流の影響を受けて曇りや雨となり、30日~31日は大雨となった所があった。
なお、奄美地方は7月13日頃(平年より14日遅く、昨年より14日遅い)梅雨明けしたと見られる。
平均気温は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、平年差-1.0~0.0℃で、加世田を除いた地点で平年を下回り、
奄美地方では、平年差-0.2~+0.4℃で、平年を下回った地点が多かった。
降水量は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、平年比61~166%で、平年を上回った地点が多く、
奄美地方では、平年比85~305%で、喜界島を除いて平年を上回り、与論島では、平年の3倍以上となった。
日照時間は、平年比79~100%で、加世田を除いた地点で平年を下回った。
7月の平均気温、降水量、日照時間の平年との比較
・月平均気温
鹿児島:低い
種子島:低い
名瀬:平年並
・月降水量
鹿児島:多い
種子島:平年並
名瀬:多い
・月日照時間
鹿児島:少ない
種子島:平年並
名瀬:少ない
7月の生物季節観測(鹿児島地方気象台観測)
種類 あぶらぜみ
現象 初鳴
本年 7月15日
平年 7月16日
平年差 1日早い
昨年 7月6日
昨年差 9日遅い
種類 ひぐらし
現象 初鳴
本年 7月29日
平年 7月25日
平年差 4日遅い
昨年 7月19日
昨年差 10日遅い
上 旬:期間の終りは台風第8号の影響を受けて、大荒れの天気となった。
薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、期間の中頃まで梅雨前線や湿った気流の影響を受けて曇りや雨の日が多く、
2日~3日、6日は北薩を中心に大雨となった所があった。
期間の終わりは台風第8号の影響を受けて、大荒れの天気となった。
なお、台風第8号は10日午前7時前に阿久根市付近に上陸した。
また、9日は、中甑で東南東の風11.4メートルを観測し「日最大風速」の7月の極値を更新した他、
八重山で日降水量140.0mmを観測し、「日降水量の多いほうから」の7月の極値を更新した。
奄美地方では、期間のはじめと終わりは、梅雨前線や湿った気流、台風第8号の影響を受けて曇りや雨となった。
特に、8日と9日は台風第8号の影響を受けて、大荒れの天気となった。
なお、1日は喜界島で最低気温21.4℃を観測し、「日最低気温の低い方からの」7月の極値を更新した。
また、9日には与論島で1時間降水量62.5mmを観測し、「日最大1時間降水量」の7月の極値を更新した。
・平均気温は、奄美地方の古仁屋で平年を上回った他は、平年を下回った。(平年差-1.8~+0.3℃)
・降水量は、奄美地方の喜界島で平年を下回った他は、平年を上回り、与論島では平年の9倍以上となった。(平年比57~960%)
・日照時間は、すべての地点で平年を下回った。(平年比24~72%)
中 旬:奄美地方は13日頃、九州南部は16日頃に梅雨明けしたと見られる。
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、期間の前半は梅雨前線や湿った気流の影響を受けて曇りや雨となり、
13日~14日は大雨となった所があった。
16日以降は、太平洋高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった。
なお、九州南部では7月16日頃(平年より2日遅く、昨年より8日遅い)梅雨明けしたと見られる。
奄美地方では、11日は梅雨前線の影響で大雨となったが、その後は太平洋高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった。
なお、奄美地方は、7月13日頃(平年より14日遅く、昨年より14日遅い)梅雨明けしたと見られる。
・平均気温は、期間の前半を中心にほとんどの地点で平年を下回った。(平年差-1.3~+0.1℃)
・降水量は、ほとんどの地点で平年を下回り、伊仙と沖永良部では平年比0%となった。(平年比0~158%)
・日照時間は、期間の前半を中心に平年を下回ったが、後半は平年並となる地点が多かった。(平年比79~120%)
下 旬:太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、期間の終りは、台風第12号や湿った気流の影響で大雨となった。
期間の終り頃、台風第12号や湿った気流の影響で曇りや雨となり、30日~31日は大雨となった所があった。
その他の日は、期間のはじめに、湿った気流の影響で一時雨が降ったが、概ね太平洋高気圧に覆われて晴れの天気となった。
なお、27日は尾之間で34.3度、29日は川内で35.9度を観測し、「日最高気温の高い方から」の7月の極値を更新した。
また、28日は上中で34.4度を観測し、「日最高気温の高い方から」の通年の極値を更新した。
なお、気象庁は7月30日から宝島地域気象観測所(十島村宝島)を新設して、観測を開始した。
・平均気温は、さつま柏原と内之浦で平年を下回った他は、平年を上回った。(平年差-0.2~+0.9℃)
・降水量は、薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では平年を下回った地点が多かったが、奄美地方では平年を上回った地点が多かった。(平年比17~383%)
・日照時間は、奄美地方の中之島で平年を下回った他は、平年を上回った。(平年比98~132%)
8月の気象概況
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、期間を通して太平洋高気圧の周辺部となり、曇りや雨の日が多かった。
上旬は、台風や太平洋高気圧周辺部の湿った気流の影響を受けて、大雨や大荒れの天気となった日があった。
中旬から下旬は、高気圧に覆われて、晴れた日もあったが、気圧の谷や前線、湿った気流の影響を受けて、
雷雨や大雨となった日があった。
奄美地方では、期間の前半は台風や湿った気流の影響を受けて曇りや雨の日が多く、
期間の後半は、太平洋高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった
が、湿った気流の影響を受けて、にわか雨や雷雨となった日があった。
平均気温は、ほとんどの地点で平年を下回った。(平年差-1.0~0.2℃)
降水量は、平年を上回った地点が多く、鹿児島では、平年の2倍に達した。(平年比61~200%)
日照時間は、全ての地点で平年を下回り、薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、かなり少なかった。(平年比48~90%)
8月の平均気温、降水量、日照時間の平年との比較
・月平均気温
鹿児島:低い
種子島:平年並
名瀬:平年並
・月降水量
鹿児島:かなり多い
種子島:多い
名瀬:平年並
・月日照時間
鹿児島:かなり少ない
種子島:かなり少ない
名瀬:平年並
8月の生物季節観測(鹿児島地方気象台観測)
種類 やまはぎ
現象 開花
本年 8月11日
平年 8月10日
平年差 1日遅い
昨年 8月30日
昨年差 19日早い
上 旬:期間の前半は台風第12号や湿った気流、期間の終りは台風第11号の影響を受けて、大荒れの天気となった所があった。
台風第12号は1日~2日に東シナ海を北上し、1日は奄美地方で大荒れの天気となった。
その後、台風第12号は日本海で温帯低気圧となったが、前線に向かって湿った空気の流れ込みが続き、
期間の前半はぐずつき、薩摩地方を中心に大雨となった。
また、台風第11号は9日に九州の東海上を北上し、10日に四国に上陸した。
8日~9日は台風第11号の影響を受けて、大隅地方や種子島・屋久島地方を中心に大雨となり、大荒れの天気となった。
なお、2日は田代で最低気温26.5℃を観測し、「日最低気温の高い方から」の8月の極値を更新した他、
3日は東市来で最低気温27.6℃を観測し、「日最低気温の高い方から」の通年の極値を更新した。
また、9日は牧之原で東北東の風17.2m/sを観測し、「日最大風速」の通年の極値を更新した。
・平均気温は、ほとんどの地点で平年を下回った。(平年差-0.8~+0.6℃)
・降水量は、奄美地方の沖永良部で平年を下回った他は、平年を上回り、鹿児島では平年の6倍以上となった。(平年比90~602%)
・日照時間は、すべての地点で平年を下回った。(平年比19~70%)
中 旬:期間の中頃まで気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多く、
期間の終りは、高気圧に覆われたが、湿った気流の影響を受けた。
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、期間の中頃まで気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多く、
14日~15日は薩摩・大隅地方で、16日は種子島地方で大雨となった所があった。
期間の終りは太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多くなったが、
湿った気流の影響でにわか雨や雷雨となり、18日~19日は薩摩・大隅地方で大雨となった所があった。
奄美地方では、太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多くなったが、期間の中頃までは、
気圧の谷や湿った気流の影響でにわか雨や雷雨となる日が多く、11日と14日、17日は大雨となった所があった。
期間の終りは太平洋高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった。
なお、14日は、笠利で1時間降水量75.5mmを観測し、「日最大1時間降水量の多い方から」の8月の極値を更新した。
・平均気温は、ほとんどの地点で平年を下回った。(平年差-1.2~+0.1℃)
・降水量は、大隅地方では平年を下回ったが、その他の地点では平年を上回った地点が多く、
笠利では4倍以上となった。(平年比23~464%)
・日照時間は、名瀬以外は平年を下回った。(平年比45~101%)
下 旬:期間の中頃まで高気圧に覆われて概ね晴れたが、
期間の終りは、湿った気流や前線の影響でぐずついた天気となった。
薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、期間の中頃まで高気圧に覆われて概ね晴れたが、
湿った気流や前線の通過で、にわか雨や雷雨となり、26日は大雨となった所があった。
期間の終りは、停滞前線の影響でぐずついた天気となり、29日~30日は雷雨や大雨となった所があった。
奄美地方では、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、湿った気流の影響でにわか雨となった日があった。
・平均気温は、奄美地方では平年を上回った地点があったが、その他はほとんどの地点で平年を下回った。(平年差-1.3~+0.7℃)
・降水量は、ほとんどの地点で平年を下回り、奄美地方では、かなり少ない地点があった。(平年比1~148%)
・日照時間は、奄美地方と屋久島の尾之間で平年を上回った他は、平年を下回った。(平年比58~128%)
9月の気象概況
薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、上旬の後半や下旬の後半は高気圧に覆われて晴れた日もあったが、
中旬から下旬の前半を中心に前線や気圧の谷、湿った気流の影響で、曇りや雨の日が多くなった。
奄美地方では、上旬は台風第14号や前線、湿った気流の影響で曇りや雨の日が多かったが、
中旬以降は、高気圧に覆われて概ね晴れの日が多くなった。
なお、十島村の諏訪之瀬島と小宝島は9月3日、宝島は9月17日にアメダス雨量計の運用を開始した。
平均気温は、薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では平年を下回った(平年差-1.6~-0.1℃)。
奄美地方では中之島を除いて平年を上回った(平年差-0.4~+1.0℃)。
降水量は、ほとんどの地点で平年を上回ったが、奄美地方の与論島では平年の半分程度であった(平年比52~251%)。
日照時間は、薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、平年を下回った(平年比65~82%)。
奄美地方では中之島を除いて平年を上回った(平年比84~118%)。
9月の平均気温、降水量、日照時間の平年との比較
・月平均気温
鹿児島:低い
種子島:低い
名瀬:高い
・月降水量
鹿児島:多い
種子島:平年並
名瀬:平年並
・月日照時間
鹿児島:少ない
種子島:かなり少ない
名瀬:多い
9月の生物季節観測(鹿児島地方気象台観測)
種類 さるすべり
現象 開花
本年 9月3日
平年 7月23日
平年差 42日遅い
昨年 8月 2日
昨年差 32日遅い
種類 もず
現象 初鳴
本年 9月9日
平年 9月16日
平年差 7日早い
昨年 9月11日
昨年差 2日早い
上 旬:期間の中頃まで湿った気流や前線、熱帯低気圧や台風第14号の影響を受け、曇りや雨の日が多かった。
期間の終りは概ね晴れた。
薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、3日~4日は湿った気流や前線の影響で薩摩地方を中心に大雨となった。
また、6日~7日は前線が九州南部付近に停滞し、種子島・屋久島地方を中心に大雨となった。
期間の終りは高気圧に覆われ概ね晴れの天気となった。
なお、4日は加世田で1時間降水量69.0mmを観測し、「日最大1時間降水量の多い方から」の9月の極値を更新した。
奄美地方では、期間のはじめと終りは高気圧に覆われて概ね晴れたが、
3日~8日は湿った気流や熱帯低気圧、台風第14号の影響を受け、雷雨や大雨となった日があった。
なお、2日は古仁屋で最高気温33.3℃を観測し、「日最高気温の高い方から」の9月の極値を更新した。
・平均気温は、平年を下回った地点が多かった。(平年差-1.1~+0.6℃)
・降水量は、薩摩地方や奄美地方では平年を上回った地点が多く、
奄美地方の古仁屋では平年の4倍以上となった。(平年比32~412%)
・日照時間は、奄美地方の古仁屋と伊仙で平年を上回った他は、平年を下回った。(平年比66~121%)
中 旬:薩摩・大隅地方や種子島・屋久島地方では前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多く、
奄美地方では、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、期間のはじめと中頃は高気圧に覆われて晴れた日があったが、
その他の日は九州の南海上に前線が停滞し、ぐずついた天気が続いた。
特に、13日と19日は前線活動が活発化し、大雨となった所が多かった。
なお、19日は、指宿で日最高気温20.6℃を観測し、「日最高気温の低い方から」の9月の極値を更新した。
奄美地方では、高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、
20日は十島村付近に停滞する前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、十島村を中心に大雨となった所があった。
・平均気温は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では平年を下回り、
奄美地方では中之島と笠利を除いて平年を上回った。(平年差-3.1~+0.9℃)
・降水量は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では平年を上回り、
奄美地方では中之島を除いて平年を下回った。(平年比20~330%)
・日照時間は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では平年を下回り、
奄美地方では中之島を除いて平年を上回った。(平年比49~122%)
下 旬:期間の中頃までは湿った気流や前線の影響で曇りや雨の日が多く、期間の後半は高気圧に覆われて概ね晴れた。
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、期間の中頃まで台風第16号からの湿った気流や十島村付近に停滞した前線の影響で、
21日と23日~24日に大雨となった所があった。
25日以降は高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった。
27日は湿った気流の影響により屋久島地方で大雨となった所があった。
なお、23日は屋久島北部付近で局地的な大雨となり、1時間に120mm以上の記録的短時間大雨情報が発表された。
また、21日は、沖永良部で日最低気温28.8℃を観測し、「日最低気温の高い方から」の9月の極値を更新した。
奄美地方では、期間の中頃まで台風第16号からの湿った気流や十島村付近に停滞した前線の影響で
21日と23日~24日は大雨となった所があった。
25日以降は高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった。
・平均気温は、平年を上回った地点が多かった。(平年差-0.7~+1.5℃)
・降水量は、薩摩・大隅地方、奄美地方では平年を下回った地点が多く、
種子島・屋久島地方では平年を上回った。(平年比11~606%)
・日照時間は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方ではほとんどの地点で平年を下回り、
奄美地方では中之島を除いて平年を上回った。(平年比68~126%)
10月の気象概況
上旬は、中頃を中心に台風第18号や湿った気流の影響で大雨や大荒れの天気となった。
中旬のはじめは、13日に台風第19号が枕崎市付近に上陸するなど、大雨や大荒れの天気となった。
その後は、高気圧に覆われて概ね晴れた。
下旬は、高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、中頃を中心に、気圧の谷や前線、湿った気流の影響で大雨や雷雨となった。
平均気温は、薩摩・大隅地方では平年を上回った地点が多く、特に、薩摩地方で平年より高かった。(平年差-0.3~+1.5℃)
降水量は、大隅地方、種子島・屋久島地方、奄美地方では平年を上回った地点が多く、
大隅地方の田代では平年の約3倍となった。(平年比77~293%)
日照時間は、平年を下回った地点が多く、特に、奄美地方で平年より少なかった。(平年比83~105%)
10月の平均気温、降水量、日照時間の平年との比較
・月平均気温
鹿児島:高い
種子島:平年並
名瀬:平年並
・月降水量
鹿児島:平年並
種子島:かなり多い
名瀬:かなり多い
・月日照時間
鹿児島:平年並
種子島:平年並
名瀬:少ない
10月の生物季節観測(鹿児島地方気象台観測)
種類 すすき
現象 開花
本年 10月8日
平年 9月25日
平年差 13日遅い
昨年 10月9日
昨年差 1日早い
上 旬:期間の前半は台風第18号や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多く、
特に、4日~5日は太平洋側を中心に大荒れや大雨の天気となった。
薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、期間の前半は台風第18号からの湿った気流や前線の影響で曇りや雨の日が多く、
5日は、台風第18号が九州の東海上を北上し、種子島・屋久島地方や大隅地方を中心に大荒れや大雨の天気となった。
その後は、高気圧に覆われて概ね晴れの天気となったが、
期間の終りは、台風第19号からの湿った気流の影響を受けて、曇りや雨となった。
なお、5日は、日最大風向風速は、鹿屋で北北東の風14.4m/sを観測し、「日最大風速」の10月の極値を更新した。
その他、日降水量は、種子島で334.0mm、尾之間で231.0mm、上中で202.5mmを観測し、
「日降水量の多い方から」の10月の極値を更新した。
奄美地方では、期間の前半は台風第18号からの湿った気流の影響で曇りや雨の日が多く、
特に、4日~5日は、台風第18号の影響で大荒れの天気となった。
その後は、高気圧に覆われて概ね晴れの天気となったが、
期間の終りは、台風第19号からの湿った気流の影響を受けて、曇りや雨となった。
なお、5日は、日最大風向風速が、喜界島で北北西の風29.9m/s、笠利で北の風27.6m/s、天城で北北西の風22.3m/sを観測し、
「日最大風速」の10月の極値を更新した。
・平均気温は、全ての地点で平年を上回った。(平年差+0.1~+1.7℃)
・降水量は、薩摩・大隅地方や種子島・屋久島地方では、北薩を除いて平年を上回った地点が多く、
種子島地方では平年の6倍以上となった地点があった。(平年比28~616%)
奄美地方では、喜界島と古仁屋を除いて平年を下回った。(平年比20~176%)
・日照時間は、薩摩地方では、平年を上回った地点があったが、その他の地点は平年を下回った。(平年比54~106%)
中 旬:期間のはじめは、13日に台風第19号が枕崎市付近に上陸するなど、大雨や大荒れの天気となった。
その後は、高気圧に覆われて概ね晴れた。
台風第19号は、11日~12日に東シナ海を北上し、13日は北東に進路を変え、08時半頃に枕崎市付近に上陸した。
奄美地方では、11日~12日を中心に、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、12日~13日を中心に、大雨や大荒れの天気となった。その後は、14日~15日に寒気の影響で一時雨が降った所があったが、高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった。なお、11日は、日降水量が天城で278.0mm、沖永良部で239.5mmを観測し、「日降水量」の10月の極値を更新した他、天城で1時間降水量58.5mmを観測し、「日最大1時間降水量」の10月の極値を更新した。また、12日は、日最大風向風速が川内で東の風11.3m/s、13日は、牧之原で東南東の風16.9m/s、指宿で南南東の風14.1m/s、内之浦で西南西の風13.4m/s、田代で南東の風15.5m/s、中之島で西南西の風16.8m/sを観測し、「日最大風速」の10月の極値を更新した。
・平均気温は、薩摩・大隅地方では、ほとんどの地点で平年を下回り(平年差-1.3~+0.4℃)、
種子島・屋久島地方、奄美地方では平年を下回った。(平年差-1.5~-0.3℃)
・降水量は、種子島地方の上中(63%)と屋久島地方の屋久島(91%)を除いて平年を上回った。
特に、奄美地方の与論町では、平年の12倍以上となった。(平年比63~1252%)
・日照時間は、屋久島地方の屋久島(104%)と奄美地方の伊仙(100%)を除いて平年を下回った。(平年比75~104%)
下 旬:薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では晴れた日が多くなったが、
奄美地方では前線や気圧の谷、湿った気流の影響で曇りや雨の日が多かった。
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、22日と26日、31日に前線や湿った気流の影響で曇りや雨となった。
特に、26日は気圧の谷や湿った気流の影響で大雨や雷雨となった所があった。その他の日は高気圧に覆われて概ね晴れた。
奄美地方では、22日~28日と31日は前線や気圧の谷、湿った気流の影響で曇りや雨となった。
特に、26日は湿った気流の影響で大雨となった所があった。その他の日は高気圧に覆われて概ね晴れた。
・平均気温は、全ての地点で平年を上回った。(平年差+0.1~+2.3℃)
・降水量は、加世田、田代、喜界島で平年を上回った他は、平年を下回った。(平年比4~158%)
・日照時間は、屋久島で平年を下回った他は、平年を上回った。(平年比99~133%)
11月の気象概況
上旬は、中頃を中心に高気圧に覆われて概ね晴れの天気となったが、1日と9日に低気圧や前線の影響で大雨となった所があった。
中旬は、高気圧に覆われて晴れた日が多く、19日は今期一番の冷え込みとなった。
下旬は、高気圧と低気圧が交互に通過し、天気は周期的に変化した。
21日と25日、30日は低気圧や前線、湿った気流の影響で大雨や雷雨となった所があった。
平均気温は、内之浦を除いて平年を上回った。(平年差-0.2~+1.2℃)。
降水量は、薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、中甑を除いて平年を上回り、
特に、薩摩、大隅地方で多かった。(平年比82~225%)
奄美地方では、中之島を除いて平年を下回った。(平年比46~124%)
日照時間は、薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、中甑を除いて平年を下回った(平年比65~100%)。
奄美地方では中之島を除いて平年を上回った(平年比84~116%)。
11月の平均気温、降水量、日照時間の平年との比較
・月平均気温
鹿児島:平年並
種子島:平年並
名瀬:高い
・月降水量
鹿児島:多い
種子島:平年並
名瀬:少ない
・月日照時間
鹿児島:少ない
種子島:平年並
名瀬:平年並
11月の生物季節観測(鹿児島地方気象台観測)
種類 いちょう
現象 黄葉
本年 11月24日
平年 11月24日
平年差 ±0
昨年 11月21日
昨年差 3日遅い
上 旬:期間のはじめと終りは低気圧や前線、気圧の谷の影響で曇りや雨となったが、期間の中頃は高気圧に覆われた日が多かった。
薩摩・大隅、種子島・屋久島地方では、期間のはじめと終りに低気圧や前線、気圧の谷の影響で曇りや雨となった。
特に、1日と9日は大隅地方や種子島・屋久島地方を中心に大雨となった。
期間の中頃は、6日に湿った気流の影響で大隅地方や種子島・屋久島地方で雨が降ったが、
その他の日は高気圧に覆われて晴れの天気となった。
なお、4日は放射冷却により北薩地方や大隅地方の内陸を中心に、最低気温が平年よりかなり低くなった。
奄美地方では、期間のはじめと終りを中心に前線や気圧の谷、湿った気流の影響で曇りや雨となった。
特に、9日は低気圧や前線の影響で大雨となった所があった。
期間の中頃は湿った気流の影響で曇りや雨の日もあったが、その他の日は高気圧に覆われて概ね晴れの天気となった。
・平均気温は、ほとんどの地点で平年を上回った。(平年差-0.2~+1.1℃)
・降水量は、平年を上回った地点が多く、特に、屋久島地方の尾之間では平年の4倍近くに達した。(平年比54~380%)
・日照時間は、平年を下回った地点が多かった。(平年比37~116%)
中 旬:期間のはじめと中頃に前線や気圧の谷の影響で雨が降ったが、その他の日は高気圧に覆われて概ね晴れた。
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では期間のはじめと中頃に前線や気圧の谷の影響で雨が降った所があった。
特に、11日と17日は屋久島で大雨となった。
その他の日は、高気圧に覆われて、概ね晴れの天気となった。
また、19日は放射冷却現象のため内陸部で氷点下になる等、今期一番の冷え込みとなった。
奄美地方では、前線の影響で、16日~18日に雨の降った所が多かった。
特に、中之島では、16日と17日に大雨となった。
その他の日は、高気圧に覆われて概ね晴れた。
・平均気温は、ほとんどの地点で平年を上回った。(平年差-0.2~+1.1℃)
・降水量は、平年を上回った地点が多かった。(平年比54~218%)
・日照時間は、平年を下回った地点が多かった。(平年比37~116%)
下 旬:はじめ高気圧に覆われて晴れたが、中頃から高気圧と低気圧が交互に通過し、天気は周期的に変化した。
薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、低気圧や前線、湿った気流の影響で、
21日と25日、30日に大雨や雷雨となった所があった。
特に、25日は、さつま柏原で「日最大1時間降水量」55.0mmを観測し、11月の極値を更新した。
奄美地方では、気圧の谷や湿った気流の影響で、21日~22日、28日と30日に大雨となった所があった。
・平均気温は、すべての地点で平年を上回り、平年よりかなり高い地点が多かった。(平年差+1.4~+4.0℃)
・降水量は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方では、尾之間を除いて平年を上回り、
特に、薩摩・大隅地方でかなり多かった。(平年比78~453%)
奄美地方では平年を下回った地点が多かった。(平年比26~222%)
・日照時間は、薩摩・大隅地方、種子島・屋久島地方ではすべての地点で平年を下回り、
奄美地方では平年を上回った地点が多かった。(平年比68~125%)