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鹿児島県が甑島列島の国定指定公園を環境省に申し出

環境省HPの石原大臣記者会見録(平成26年7月8日(火)10:29 〜 10:43  於:環境省第1会議室)によりますと、
大臣は会見で、甑島列島の国定公園申し出に関し、前向きな回答をしています。
「国としてはパブリックコメントを実施し、その意見等を踏まえて中央環境審議会への諮問の準備を速やかに進め、
できましたら年度内には指定したいと考えてます。」という発言でした。
大臣は、甑島を訪問したことがあると述べ、下甑島の鹿島断崖と思われる写真を紹介しました。
上甑島のトンボロと呼ばれる砂州、自生している「カノコユリ」も例に挙げました。
これまで、鹿児島県が県立自然公園としてしっかり管理してきたこと、これからは甑島の自然を、
国定公園として国もしっかり関与していきたいと述べました。

2014年(平成26年)7月4日読売新聞によりますと、
鹿児島県は薩摩川内市・甑島列島の国定公園指定に向け、7月内に環境省に申し出を行う方針を固めました。
国定公園は国立公園に準じる景勝地で、自然公園法に基づいて環境大臣が指定します。
鹿児島県は2012年度から国定公園化に向け準備を始め、植物やサンゴの生育状況を調査してきました。
甑島列島の国定公園が決定されると、志布志湾に面する砂丘海岸地帯「日南海岸」、
奄美群島各島の主な景観地「奄美群島」に次いで、県内3か所めの国定公園となります。
鹿児島県自然保護課の計画によりますと、「甑島国定公園(仮称)」は陸域5447ヘクタール、
海域2万5288ヘクタールの面積です。
陸域は現在の県立自然公園の区域(上甑、中甑、下甑3島の西側を中心とした2459ヘクタール)を拡大する形となります。
中でも、「特別保護地区」として、下甑島の鹿島断崖とチュウ瀬を含む瀬々野浦断崖が指定されています。
鹿島断崖(約8キロ)は約8000万年前の地層が残る場所で、そのあたりでは、恐竜の化石等も発掘されています。
瀬々野浦断崖(約13キロ)も非常に古い地層の残る断崖で、中でもチュウ瀬が特に有名です。
チュウ瀬をナポレオンの顔に見立てた人がいて、ナポレオン岩と呼ばれることもあります。
鷹の巣、黒瀬などともに、今回の特別保護区の対象となっています。
甑島への観光客数は、2011年の統計では、約5万8300人です。
約3万5000人が宿泊しています。

平成26年8月29日の南日本新聞によりますと、中央環境審議会は8月26日〜28日、甑島を初めて視察しました。
薩摩川内市の甑島は、2014年度中に国定公園指定が予定されています。
視察最終日の28日には、委員6人や環境省職員ら約30人が、観光船で鹿島断崖やチュウ瀬(ナポレオン岩)等を見学しました。
下甑島の瀬々野浦を中心とする断崖は、約8千万年前から2300万年前までの地層が観察でき、地学的に価値があります。
視察後、審議委員から、国定公園に値する価値があると評価されました。
同時に、今後の自然保護と活用の両立や人材育成の必要性を指摘しました。
環境省は2015年1月に審議会に諮問し、3月に指定する予定です。