百貨店友の会、先鞭をつけたのは鹿児島のデパート、山形屋
読売新聞(平成26年5月27日)によりますと、鹿児島の老舗百貨店、山形屋がデパートの友の会を国内で最初に作りました。
1925年(大正14年)に始まった、「山形屋七草会」です。
当時は、満期後に積み立ての1か月分(3円)の買い物券だけではなく、要望が多かった歌舞伎の招待券も提供していました。
専用窓口もあり、現在の会員数は約19万人(宮崎山形屋を含む)です。
ちなみに、鹿児島県の人口は約167万人です。
九州は、デパートの「友の会」が盛んな地域です。
鹿児島市の山形屋が先鞭をつけ、その後、佐世保玉屋、鹿児島丸屋、岩田屋や井筒屋と九州の百貨店で、まず広がった歴史が関係します。
阪急百貨店、京王百貨店等と、次第にこのシステムが採用され、全国に広まりました。
主な九州のデパートの友の会の特色は以下の通りです。
岩田屋三越(福岡市):岩田屋、福岡三越を含む三越伊勢丹グループの全国28店で利用可能
博多大丸(福岡市):月1万円の3か月コース(満期時にボーナス2000円上乗せ)
鶴屋百貨店(熊本市):アンパンマンショーの招待券(抽選)などの特典がある子ども向けコースを用意
トキハ(大分市):店休日に会員向けの招待会を実施。関連会社のスーパーでも利用可。
山形屋(鹿児島市):英会話、スポーツジム、自動車修理の割引など幅広い特典
デパートの「友の会」とは、基本的には、毎月一定額を1年間積立て、満期後に、
上乗せされたボーナス分とともに商品券で顧客に戻す仕組みです。
顧客側には、銀行よりも高い利率のボーナス分で買い物を楽しめるメリットがあります。
店側には、コストがかかるマイナスはあるものの、高額商品の購入予定者を確実に取り込むメリットがあります。
現在は、割賦販売法の改正により、デパートとは別会社を設立して友の会の営業を行なっています。
友の会の現在の課題は、若い会員増大も含めた活性化です。
それぞれの店舗で、半年コースの新設、買い物時の会員証の提示でポイントがたまるサービス、専用窓口の新設など、
さまざまな知恵を絞っています。