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平成26年のPED(豚流行性下痢)による死亡豚数は過去最多
5月7日現在で3万6千頭を超える

鹿児島県内の発生状況
鹿児島県HPによりますと、平成26年5月7日現在で165農場でPEDの発生を確認しました。
内訳は、南薩地域14農場、北薩地域4農場、姶良地域3農場、曽於地域37農場、肝属地域106農場、徳之島地域1農場です。
このうち、104農場で沈静化を確認しました。
内訳は南薩地域13農場、北薩地域1農場、姶良地域1農場、曽於地域12農場、肝属地域76農場、徳之島地域1農場です。
ただし、沈静化とは、発症・死亡豚が確認されなくなった状態であり、農場内のウイルスの清浄化を示すものではありません。
平成26年5月7日集計時点の発症頭数は20万5991頭です。
(繁殖:1万8996頭 肥育:10万9656頭 子豚:7万7339頭)
死亡頭数は3万6336頭で、ほぼ全てが子豚です。

平成26年5月10日の南日本新聞によりますと、死亡豚数は、PEDが大流行した1996年を上回る過去最悪の被害となっています。
1996年1~6月に大流行した際は、死亡豚数は、3万3211頭でした。
ただし、1996年当時、PEDは届出伝染病に指定されていませんでした。
そのため、PEDが発生しても報告していなかった農家が存在した可能性はあります。
鹿児島県内のPEDは平成25年12月上旬、垂水市で確認されたのを皮切りに感染が拡大しました。
平成26年1月末までの発生農場は102カ所となり、なかでも、鹿屋市を中心とした肝属地区の被害が爆発的に拡大していました。
2月以降、いったん沈静化の傾向をみせたものの、3月後半から、曽於地区で発生が相次いでいます。
鹿児島県は3月28日に2度目の緊急防疫対策会議を開き、消毒作業徹底を呼びかけていますが、その後も発生は止まっていません。
3月以降に再流行した要因について、「(1月までの流行を乗り越えて)成長した豚を系列農場に移動させる際、ウイルスを保有した豚がまぎれ込んだ」という見解の畜産関係者もいます。
3~4月に全国的に発生が続いた後、県外から導入した種豚が感染していたケースも存在しました。
鹿児島県畜産課の調査によりますと、消毒用機器や農場専用作業着を準備していない農家も少なからずあります。
一方で、一戸当たりの飼養頭数はこの20年で2倍超に急増しました。
規模拡大の現状と防疫体制とのギャップも、被害拡大の一因と考えられます。
県畜産課は、5月中にPEDの終息を目ざし、各家畜保健衛生所を通じて、防疫作業の徹底(畜産関連施設入退場時の消毒の徹底・農場入場時の消毒・飼養衛生管理基準の徹底・母豚へのワクチン接種)を呼びかけています。

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