ロシアで緑茶が人気
2014年2月28日の南日本新聞によりますと、モスクワで2月に開催された食品見本市に鹿児島、福岡、島根3県の4業者が緑茶を出展しました。
世界最大の茶の輸入国ロシアでは、現在、緑茶が人気を博しています。
これまでの紅茶一辺倒が変化している背景には、健康志向や、日本食レストランでの緑茶体験もあるようです。
日本貿易振興機構(ジェトロ)やロシアNIS貿易会によると、ロシアの茶輸入量は年約17万トンです。
うち緑茶は1万5千トン(2012年)で1998年の2800トンから急拡大し、数量ベースで約9%、金額ベースでは22%を占めています。
しかし、現状は中国産の茶葉が席巻しており、日本産は数量ベースで0・04%にすぎません。
農林水産省は昨年、日本茶の輸出戦略を策定しました。
ロシアなどを輸出拡大の重点国とし、2012年の日本茶の輸出額50億5千万円を、20年には約3倍の150億円にする目標を掲げています。
ロシアの富裕層や中間層に、「高いがひと味違う」日本茶の良さを伝えようと、業者が動いています。
福岡県八女市の「中村園」は現在米国に輸出していますが、ロシアも面白い市場と考えています。
松江市の「お茶の三幸園」は、極東ウラジオストクの物産展に3年連続で出展し、良い反応を得ました。
極東では流通ルートの確保が課題となりますが、モスクワには大手製茶メーカーがあるため、そこに茶を卸すことで流通を任せられるメリットがあります。
鹿児島市の「下堂園」は現在、ドイツなどに年3~4トンを輸出しています。
紅茶を飲む文化があるロシアは、緑茶にとっても有力な市場に育ち得るとみています。
静岡県は昨年より、本格的な対ロ輸出が始まりました。
茶業界が海外に目を向ける背景には、国内での消費が増加していないという現実もあります。