山形屋の北海道物産展、50回目を迎え、百貨店の物産観光展としては売上げ13年連続1位
南日本新聞によりますと、鹿児島市の百貨店、山形屋で開催される「北海道の物産と観光展」は、平成25年で50回を迎えます。
北海道が主催し、百貨店を会場とする物産観光展は、2012年には全国で36カ所ありました。
2012年の山形屋の売上げは8億9700万円で、13年連続1位です。
11月5日、山形屋では恒例の「北海道の物産と観光展」50回を記念し、式典が開かれました。
高橋はるみ道知事や伊藤祐一郎鹿児島県知事ら両道県の行政、経済関係者約150人が出席しました。
昨年度の20日間の売り上げは8億9700万円で、2位(21日間)に3億5千万円以上の差をつけています。
会期中の来館者数は、平日でも4万人超に上り、ふだんの2倍に多さです。
今年度は道内232社の約2100品目をそろえ、品ぞろえの豊富さは、他県の追随を許しません。
山形屋の特徴は、業者に場所を提供するだけではなく、同社のバイヤーが運営、仕入れ、商品開発まで担当する点です。
今年9月には最大18人(山形屋地階の販売業者も含む)が一斉に北海道に入りました。
多い人は年間計約40日間滞在します。
道内の産地や製造元を回り、原料や商品を確認・交渉します。
「北海道と同じ値段」「目玉商品は北海道より安く」をモットーに、地元量販店で値段チェックも欠かせません。
第1回は1964年でしたが、91年あたりもまだ、バイヤーに対する北海道の業者の対応は芳しくなく、人気店が出店することはありませんでした。
有名店に頼らず、味で勝負するしかなかった悔しさがばねになったともいえます。
海鮮弁当で人気のの多聞天(札幌市)は、もとはススキノの郷土料理店です。
15年ほど前に山形屋からの誘いで、初めて弁当を販売しました。
山形屋と共に具材の試行錯誤を重ねた結果、当初は250万円程度でしたが、現在は毎年3千万円超の売上げです。
商品開発としては、鹿児島県向けに甘いしょうゆを使用したいくらしょうゆ漬けや数の子松前漬けがあります。
販売方法も工夫が試みられています。
弁当を昼に加え朝夕も追加販売したり、カニを売り場でカット・バラ売りして売り上げを伸ばしました。
今年は初の9億円売上高を見込んでおり、日高博昭食品統括部長は「現地をちゃんと見る。お客様の要望に応える。ブームだけを追わない。業者に任せきりにしない。こうした基本を忘れなければ、売上げはついてくる」と話します。