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経済・産業


台湾・中国・韓国への鹿児島県産材輸出が好調

南日本新聞平成25年5月27日、9月26日
曽於地区森林組合・南那珂森林組合・都城森林組合が設立した、木材輸出戦略協議会のスギ・ヒノキの丸太輸出量が急成長しています。
現地のニーズも把握し、東南アジアへの輸出の先駆けとなっています。
2013年度9月までに前年度実績を上回り、最終的に2万2千立方メートルになる見通しです。
東南アジアの著しい成長に対応した安定供給体制への試みは、実を結び始めています。

これまでも鹿児島県の材木業者は、輸出に挑戦してきました。
戦後に植林したスギ・ヒノキが成熟期を迎えたにもかかわらず、国内での販売が少子化や人口減、住宅着工の増加を見込めない点から伸びを期待できなかったためです。
しかし、定時に定量を出荷できないことがネックになり、受注しても発送できず、長期間の輸出は実現できなかったのが実情でした。
2011年2月、鹿児島県は、事業者や森林組合と「県産材輸出促進協議会」を設立し、個々に取り組んできた輸出の連携を図りました。
2011年4月、曽於地区森林組合(志布志市 堂園司組合長)は宮崎県の2森林組合(南那珂・都城)と協力し、「木材輸出戦略協議会」を発足しました。
輸出は短期間にまとまった量を確保しなければならず、年間生産量3万立方メートルの曽於地区だけでは、困難でした。
南那珂森林組合(4万立方メートル)、都城森林組合(4万立方メートル)と協力すると、安定供給への道は開けます。
もともと南那珂と交流があったこともあり、スギ生産日本一の宮崎県と協力し、県境をまたぐほうが有利と判断し、各組合が毎年50万円ずつ拠出して協議会を運営し、独自に基金を立ち上げ、県の補助金に頼らない仕組みを作りました。
丸太輸出シェア日本一(2010年より3年連続)を誇る志布志港の存在も見逃せません。
3森林組合は現地の製材メーカー・政府関係者・建築現場を訪れ、市場調査も行い、現地のニーズを把握することに努力しています。
相手国の実情に合わせた木材のカット等も、そのような努力から生まれました。
木材の長さが短い分、これまで廃棄されていた木材も商品に生まれ変わる可能性が出てきています。
2014年度には、中国の建築物に関する法律が改正され、これまで構造材として認められなかったスギ・ヒノキが使用許可され、輸出増が期待されます。
木材輸出戦略協議会の丸太輸出量
2011年度 4690立方メートル
2012年度 6377立方メートル
2013年度 9月までに前年度実績を上回り、最終的に2万2千立方メートルになる見通しです

鹿児島県の県産材輸出量
2008年度 668立方メートル
2009年度 2628立方メートル
2010年度 9825立方メートル
2011年度 11166立方メートル
2012年度 17507立方メートル