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経済・産業


日本銀行鹿児島支店、2013年8月9日発表 鹿児島県金融経済概況

日本銀行 鹿児島支店、2013年8月9日発表鹿児島県金融経済概況によりますと、鹿児島県の景気は、観光面が高水準を維持するなど、最終需要が概ね底堅く推移している中で、生産面にも下げ止まりの動きがみられ、持ち直しの動きがやや拡がっています。

1. 個人消費に関しては、小売面では、耐久消費財は多少弱めの動きです。
6月の乗用車新車登録台数(含む軽自動車)は前年を下回りました。
非耐久消費財は全体的に底堅い動きを続けています。
6月は、衣料品の販売が持ち直し、大型小売店販売額は、前年を上回りました。
7月は食料品や衣料の販売が堅調なほか、高額商品を含めて催事での販売が好調です。
観光面も、全体としては高水準で推移しています。
宿泊状況も、ビジネス客の増加、国内観光客も前年を上回っています。
暑さのせいか、屋外型の施設は入場者数が前年より下回っています。

2.公共投資は、増加しています。6月の公共工事請負金額は、前年を大幅に上回りました。

3.住宅投資は、低水準ながらも持ち直しの動きがみられる。
6月の新設住宅着工戸数は、持家は前年を上回りました。

4.生産は、全体としては下げ止まりつつあります。
5月の鉱工業生産指数(季節調整済)は、一部先で生産水準を引き下げたこともあり、全体では前月比低下しました。
食料品が食肉関係を中心にやや弱含んでいる中で、情報機器関連の一部では生産水準が低下した状況が続いていますが、建設関連では官公需・民需ともに堅調であるほか、電子製品・デバイス等では、海外向けを中心に受注改善が窺われます。

5.雇用環境は、依然として厳しい状況ですが、一部では改善の動きがみられます。
6月の有効求人倍率(季節調整済)は、0.74倍と前月比上昇しました。
新規求人数は、製造業や飲食業は減少しましたが、公共工事の増加を受けた建設業での求人増加や小売業での求人が伸びたことなどから、前年を小幅に上回りました。
新規求職者数は、自己都合離職者を中心に、引き続き前年を下回っています。
この間、現金給与総額が前年割れとなるなど、雇用環境は引き続き厳しい状況にありますが、常用雇用者数が前年を小幅に上回って推移するなど、一部に改善の動きがみられます。

6.金融面では、預金、貸出金とも前年を上回って推移しています。
貸出金の動きをみると、個人向けは、住宅ローンを中心に、法人向けは、医療・福祉業向けを中心に、それぞれ前年を上回って推移しています。
この間、再生可能エネルギー向け貸出も一部にみられます。
貸出約定平均金利は、緩やかな低下が続いています。
企業倒産は、7月の倒産件数は17件。11か月振りの2桁台となりました。